飲食店・買物

〈たかはし亭〉
独自のメニュー展開、
茶目っ気たっぷりなスタッフが支える
古民家食事処。

情報掲載日:2022.03.07
※最新の情報とは異なる場合がありますので、予めご了承ください。

こけしの郵便ポスト、羨望のまなざし?

鳴子温泉湯めぐり駐車場より徒歩3分。
早稲田湯通り、鳴子郵便局のこけしポストが見つめる先に――

 

 

視線の先には、のぼりが立ち並ぶ純和風な建物があり、
辺りには美味しそうな匂いが漂います。

 

たかはし亭に到着!

 

 

四季ごとに色を変える、ぬくもり溢れる店内

暖簾をくぐり、靴を脱いで中へと進むと、そこには
部屋一面に広がる畳!

室内には、座卓とテーブル席が設けられています。

 

解放感のある広いお座敷。ゆっくりと穏やかな空気が流れています。
お座敷だからと座卓ばかりではなく、テーブル席も選べる粋な心遣い。

 

座敷の奥には、多数のこけしに立派な鎧兜(よろいかぶと)、
古道具などが飾られています。

 

縁側の先には、広いお庭。
四季折々の豊かな表情を楽しみながら、料理を堪能できます。

 

この日は冬真っ只中。銀世界の中に、吊るされた干し柿のオレンジが明るく灯ります。

 

 

温泉卵が嬉しい!
鳴子温泉ならではのカレーライス。

着席して早速、
「鳴子に来たなら温泉卵が食べたい」という
カレーライス好きな私にぴったりのメニューを発見しました。

 

鳴子温卵(おんたま)カレー(¥ 1,100)。食後のホットコーヒー付き。
付け合わせには野菜のピクルスと、豆腐の塩麴漬け。お豆腐の漬物は初体験です。

 

辛さは控えめ、じっくり煮込まれた鶏肉が口の中でほろほろと柔らかく崩れていく。
待望のとろとろ温泉卵がさらにカレーをまろやかにしてくれます。

ターメリックライスの横には
リボン形のニンジンピクルスと、リンゴのドライフルーツが異彩を放っています。

ほら見て、珍しいね、と一緒に居たカメラマンに話しかけると
彼女も口を開きました。

「あれ?私のカレーには花の形のニンジンが乗っているよ?」

同じメニューを頼んでいた私たちは、思わず顔を見合わせました。

 

 

おかあさん達のあたたかな心意気

「そのニンジンはね、実はお客様に合わせて変えているのよ」

お教えいただいたのは、メニュー考案のほとんどを担当したという
スタッフの馬場さん。

 

最年長、スタッフ代表の五十嵐キヌ子さん(左)と、お話いただいた馬場玲子さん(右)。
普段はもう一人のスタッフと同年代3人で切り盛りしています。

 

複数人で来店したお客様には
それぞれ別の形を乗せて提供することが多いのだという。

「『私のはハートだ』『こっちはリボンだ』とはしゃいだ声が
厨房まで聞こえてきて。私も勝手に楽しんでいるのよ」と、
馬場さんはいたずらっぽく笑います。

確かに、自分のために選んでもらったモチーフだと
何だか特別感が込み上げてウキウキしますよね。

 

そして、もう一つ気になる、リンゴのドライフルーツ。
こちらはなんと、鳴子温泉の温泉熱を利用して乾燥させたもの。

リンゴだけではありません。
カレールーには、同じく温泉熱で乾燥させた野菜が含まれており、
とても味わい深く仕上げられています。

鳴子温泉熱による乾燥食材を使った料理。
この味は、たかはし亭でしか味わえない逸品ですね。

 

お店の一番人気、鳴子焼蕎麦・おくずがけ。こちらは温泉たまご付き(¥1,490)
キノコたっぷり、生姜が効いた、馬場さんイチオシの一品です。
(※温泉たまご無し¥1,430)

 

店内には、これまでの来店者が感想を綴ってきたノートが。
当初のオープン日は東日本大震災の翌日の予定でした。
不思議と店の物はほとんど無傷、本格オープンは被災者の受入れが落ち着いた後でした。

 

 

「鳴子に来るきっかけになれば」

意外にも、手先が不器用で昔は作るのが苦手だったと笑う馬場さん。
それでも、自身が“食べることが好き”、そして“喜んでもらうことが好き”
という気持ちを持ち続け、ボランティアとしてたかはし亭のスタッフを
勤めていらっしゃいます。

 

馬場さんのご実家は呉服屋さん。不要になった帯をリメイクしてメニュー表を装飾。

 

誰もが安らげるようなお店になれたらと、お子様連れも大歓迎。
親子のリピーターもいらっしゃるようです。

何より、珍しいお料理が多い、たかはし亭。
「『たかはし亭のこの料理が食べたい』と、このお店が
誰かにとって鳴子に来るきっかけになれば嬉しい」と話す
馬場さんの目はキラキラと輝いていました。

 

(撮影: 佐竹歩美・安部菜摘)

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安部菜摘|ツナグ編集室

宮城県大崎市在住。地元のフリースクールスタッフを勤める傍ら、ツナグ編集室に在籍。趣味は、音楽や写真をゆるりと。もふもふなものと児童書が好き。犬派と猫派どちらかなんて選べない。

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