こけし絵付けができる喫茶店
鳴子といえば、こけし。
そう思う方もきっと多いのではないでしょうか。
伝統型のこけしはもちろん、
最近では、キーホルダーやイヤリングなど、
アクセサリーとしてこけしを楽しむ方も多い印象です。
可愛いこけしを、いつも身に付けたい。
できることなら、自分好みのこけしがいいな。
そんな方におすすめの絵付け体験があるということで、
鳴子温泉・川渡の「準喫茶カガモク」を訪れました。
![](https://www.tamatsukuri-s.com/wp-content/uploads/2022/02/IMG_7427-1024x683.jpg)
お店周辺には温泉宿が立ち並び、温泉街独特の硫黄の香りが漂っています。
こけし愛あふれる、ユニークな空間
中に入ると、店内の至る所にこけし雑貨を発見。
“準”喫茶の名のとおり、喫茶店でもあり、こけし雑貨ショップでもあるお店です。
ドアノブやテーブルの脚、壁からひょっこり覗くこけし、
まるでかくれんぼをしているようで、探すのに夢中になってしまいます。
しかし、今日の目当てはこけし絵付け体験。ふと我に返ります。
![](https://www.tamatsukuri-s.com/wp-content/uploads/2022/02/IMG_7412-1024x683.jpg)
こけしの数は、なんと100体以上。こけし好きにはたまらない空間です。
![](https://www.tamatsukuri-s.com/wp-content/uploads/2022/02/IMG_7376-1024x683.jpg)
一輪挿しならぬ、プチ輪挿し。こけしに花を咲かせるというユーモアさが良い。
雑貨をじっくり見たい気持ちを抑えなければ。
絵付けを教えてくださるのは、オーナーの加賀浩嗣さんと道さん。
![](https://www.tamatsukuri-s.com/wp-content/uploads/2022/02/IMG_7417-1024x683.jpg)
(左)加賀浩嗣さん(右)加賀道さん。ご夫妻でお店を営んでいます。
「今回体験するのは『豆こけし』の絵付けです」
そう言って見せてくださったのは、通常のこけしよりもさらに小さく、
小指ほどのミニマムなこけしでした。
![](https://www.tamatsukuri-s.com/wp-content/uploads/2022/02/PC071748-1024x768.jpg)
こけしの材木は桜の木と水木(みずき)の2種類。小さくて可愛いサイズ感にキュン。
可愛い豆こけしと向き合う時間
まずは、自分が思い描くこけしを、紙に下書きしていきます。
こけし本体への絵付けは一発書き。ゆえに、
イメージに落とし込む作業が完成の出来を左右します。
![](https://www.tamatsukuri-s.com/wp-content/uploads/2022/02/IMG_7355-1024x683.jpg)
どんなこけしにしようかな。ぐるぐる頭を悩ませながら書きます。
![](https://www.tamatsukuri-s.com/wp-content/uploads/2022/02/IMG_7349-1024x683.jpg)
他の作例を見て、インスピレーションを高めます。
イメージをある程度決めたら、いよいよ絵付けスタート。
アクリル絵の具でこけしを彩っていきます。
失敗しないように…と恐る恐る筆を執ります。
むむむ。慎重になりすぎると筆が震えてガタガタになってしまうし、
大胆になりすぎると太く書きすぎてしまう。
この塩梅が難しいのですが、次第に慣れてくると楽しい。
![](https://www.tamatsukuri-s.com/wp-content/uploads/2022/02/PC071752-1024x768.jpg)
細い線を書くときは、思わず呼吸を止めてしまいます。
顔を描くときは、特にじっくりと。
絵の具に水を入れすぎると滲んでしまうので注意。
子供が絵付けするときは、スッスッとあっという間に書き上げるそうです。
もう何分も悩みながら書いている私とは対照的。
「大人になると、優柔不断になってしまうのか…」
そんなプチ・ジェネレーションギャップ(?)を感じながらも、
上手くかけなくても、私らしく書ければいいや!と割り切ることを決意。
![](https://www.tamatsukuri-s.com/wp-content/uploads/2022/02/IMG_7365-1024x683.jpg)
「心を無にすると上手く書ける気がする…」と豆こけしに集中。
![](https://www.tamatsukuri-s.com/wp-content/uploads/2022/02/IMG_7362-1024x683.jpg)
大成功!いい表情です。
そして、絵付けをして約1時間。
ついに世界に一つだけの豆こけしが完成しました!
じっくり向き合った分、喜びもひとしおです。
![](https://www.tamatsukuri-s.com/wp-content/uploads/2022/02/IMG_7398-1024x683.jpg)
それぞれに個性が出ています。ペンダントにすることも出来ますよ。
![](https://www.tamatsukuri-s.com/wp-content/uploads/2022/02/PC071765-1024x768.jpg)
ペンダント紐の長さは調整可能、ファッションにも取り入れやすい仕様です!
こけしに魅了され、鳴子へ移住
こけし木工作家の浩嗣さんは、大阪出身。
もともと理学療法士として働いていて、木工づくりは趣味だったそうです。
鳴子出身の道さんとは学生時代に出会い、その後東京で結婚。
道さんの故郷を大切に想う気持ちと、鳴子こけしの奥深さに魅了され、
鳴子へ移住することに。
木工作家としてこけし作りを本格的にスタートさせます。
その後、こけし好きや地域の人たちが集まる場をつくろうと
2017年に「準喫茶カガモク」をオープンしました。
![](https://www.tamatsukuri-s.com/wp-content/uploads/2022/02/IMG_7359-1024x683.jpg)
真剣な眼差しで絵付けをしている浩次さん。
今や「こけし女子」という言葉が定着するほど、世代を問わず人気のこけし。
浩嗣さんがつくるこけし雑貨は、小さくて、遊び心があり、
伝統こけしとはまた違った魅力を感じます。
「外から来た人間だからこそ、新しいアプローチをしてみたくて。
日常生活で使えて楽しい、そんなこけしを作っています」
浩嗣さんがつくったこけし雑貨は、店内のインテリアや
カフェメニューにも散りばめられており、
見るたびに癒やされます。
![](https://www.tamatsukuri-s.com/wp-content/uploads/2022/02/IMG_7390-1024x683.jpg)
地元の豆腐店のおからと国産小麦を使用した、「こけしドーナツ」(¥220)と
「こけしコーヒー」(¥400)。さくさくした食感とやさしい甘みが癖になります。
何よりもこけしが可愛すぎる…!
カフェ営業のほかにも、毎月開催される「カレーの会」や、
自然体験プログラムを提供する「鳴子温泉もりたびの会」など
様々な地域活動にも取り組んでいる、浩嗣さんと道さん。
興味がある人はぜひ、気軽に声をかけてみてくださいね。
豆こけしと向き合う時間は、癒やしそのもの。
自分好みのこけしを絵付けしてみたいという方はもちろん、
お子さんと一緒に参加するのもおすすめです。
新しい風を吹かせている、準喫茶カガモクで
こけしの魅力を再発見してみてはいかがでしょう。
(撮影: 安部菜摘・足利文香)
INFORMATION
準喫茶カガモク
- 住所
- 宮城県大崎市鳴子温泉川渡49
- 電話番号
- 070-5670-7811
- 営業時間
- 10:00〜16:00(金・土・日曜日)
- 料金・所要時間
- 【豆こけし絵付け体験】
所要時間:1時間程度
料金: 1人 1,100円
※飲食は別途
- 定休日
- 月・火・水・木曜日
第3土曜日
不定休
- 駐車場
- 有(5台)
- 座数
- 17席
- お子さま対応
- OK(小上がり有、赤ちゃんもOK)
この記事を書いた人はこちら
![](https://www.tamatsukuri-s.com/wp-content/uploads/2022/02/IMG_7067-scaled-e1648913583988.jpg)
- ※掲載の情報は、掲載開始(取材・原稿作成)時点のものです。状況の変化、情報の変更などの場合がございますので、利用前には必ずご確認ください
- ※新型コロナウイルス感染拡大防止の対策として、国・県・各市町村から各種要請などがなされる場合がございます。必ず事前にご確認ください
- ※お出かけの際は、ソーシャルディスタンスの確保やマスクの着用、手洗いや消毒など、新型コロナウイルス感染予防の対策への協力をお願いします