飲食店・買物

〈そば処小花〉歴史を受け継ぎ、
仕事を楽しむご主人がつくる絶品そば。

情報掲載日:2022.02.25
※最新の情報とは異なる場合がありますので、予めご了承ください。

 

鳴子温泉の歴史ある旅館が並ぶ”湯の街通り”の一角にあるそば屋さん。
昔ながらの風情を感じる外観です。

暖簾をくぐって中へ入ると、和風の店内の雰囲気と絶妙にマッチするジャズが流れ、
そばつゆの甘辛い香りがふわりと漂ってきました。

 

 

探求心あふれるご主人が作るそば

お昼時には、地元の常連さんから観光客らしき人まで、次々とお客さんが入ってきます。

 

天ざる(¥1,150) おそばはもちろん、野菜の天ぷらがとっても甘くておいしい!

 

ご主人おすすめの天ざるをいただきました。
まず目をひいたのは、珍しい形のにんじんのかき揚げです。

 

「あんまり見ない形でしょ?いろんな切り方で試してみたんだけど、
この形が一番甘みが出て火の通りもよくてね。」とご主人。

 

素材の味を活かせるようにと、いちょう切りなど様々な切り方を試した結果、
この5mm角程度の細切りの形に辿り着いたという。
にんじんがびっくりするほど甘い…!

 

甘辛い絶妙な加減のつゆと、のど越し抜群のそば、
そして旨味を最大限に引き出された天ぷら。

まさに三位一体の最高の組み合わせでした。

 

調理するご主人と、ホールを切り盛りする奥様の阿吽の呼吸が見ていて気持ちいい。「写真は嫌いなんだよ…」と言いつつも撮らせてくれました。

 

 

鳴子温泉の歴史とともに歩んできたお店

現在はそば処として営業していますが、
創業当時はそば屋ではなく料理屋だったそう。

「創業は大正4年頃らしいけど、詳しいことはあまり分からないんだよね。」
とご主人の山田史樹さん。

なんと創業100年以上!
昔から近くの温泉旅館に泊まるお客さんで賑わったことでしょう。

 

「小花(こはな)」という店名は、創業したおじいさまの奥様の名前に由来しているそう。 夫婦愛を感じる良い話だ…。

 

そば屋として始めたのはお父様の代から。
それから約60年以上、地元の人や観光客に愛されるお店であり続けています。

 

史樹さんは「”なんとなく”そば屋になろうと思った」と話しますが、
高校を卒業後、東京の老舗そば屋で修行をしたのちにお店を継いだ覚悟は、
生半可なものではなかったことでしょう。

 

店内には、お客さんが置いていくという小物たちが。 年季の入ったものもあり、なんだか和む。

 

お店で使う素材はなるべく地元の業者から仕入れることがコンセプト。

また観光地ということもあり、
お店が閉まっていてお客さんががっかりすることのないようにと、
休業日は年に10日ほど。

さらにお店は午前中から夜まで休みなく営業しています。

 

 

「そば屋をやっているときが楽しい」

それでも、「遊んでるようなもんだよ」と笑顔を覗かせる史樹さん。

嬉々としてそばの歴史や豆知識を語り、
たまの休みには長野県の温泉へ行って他の店のそばを食べてくるんだよ、
というエピソードも。

 

日本語が読めない観光客向けに、と作った外国語のメニュー。

 

お話の中に“そばへの愛”がたくさん感じられました。

ご主人が楽しみながらお店を続けているのが、
皆に愛される秘訣なんだろうと思いました。

 

お客さん人気No.1の地鶏南ばん(¥800) 甘すぎずしょっぱすぎず、全部飲み干したくなるつゆです。

 

とっても居心地のいい老舗そば屋さん。
温泉に入った後に、一杯いかがですか。

 

(撮影:安部菜摘・馬籠美南)

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馬籠美南|ツナグ編集室

大崎市内のNPOに勤める傍ら、ツナグ編集室にて素敵な人の発信に携わる。持続可能な社会をつくりたい。ボールを追いかける系のスポーツが好き。

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