飲食店・買物

<餅処 深瀬>
鳴子名物「栗だんご」のパイオニア。
守り続ける味と、伝統にとらわれない発想。

情報掲載日:2022.04.05
※最新の情報とは異なる場合がありますので、予めご了承ください。

 

JR鳴子温泉駅より徒歩2分。
こけし通りに差し掛かってすぐのところに、「餅処 深瀬」が見えてきます。

 

温泉街に並ぶお菓子屋さん、「餅処 深瀬」。

 

 

まるで琥珀色の宝玉、「栗だんご」

なんといっても、今日の目当ては
鳴子名物のひとつ、栗だんご。
ふっくらまん丸のお餅に、みたらし“あん”がたっぷりとかかって
つやつやと魅惑の輝きを放っています。

 

栗だんご。1パック2個入(¥400)、5個入(¥850)。
今回は特別に、イートインで提供していた時の状態で撮影させていただきました。
※イートインのサービスは2021年3月で終了。現在は、持ち帰りのみ。

 

早速ですが、いただきます!
一口かぶりつくと、お餅とみたらし“あん”の優しい甘みが
とろけるように広がります。
そのお餅の中に、大粒の栗の甘露煮が鎮座しているのを発見。
こちらも、ほくほくと柔らかく、美味しい。
食べ終わった後も、いつまでも後味を噛みしめ続けました。

立ち並ぶ宿泊施設のふもとに位置したお店ということもあり、
栗だんごを購入してすぐ、宿の部屋で食べながらくつろぐのが
観光客としての鉄板の楽しみ方のようです。

 

 

100年以上変わらないもの

そんな「餅処 深瀬」の栗だんごは、無添加にこだわり、
発売当初からレシピを変えずに作られ続けています。

栗だんごの考案者は、
「餅処 深瀬」初代の深瀬吉丸(よしまる)さん。
日露戦争従軍後、鳴子に移り住み「吉丸商店」を創業。
創業から100年以上経つ、歴史あるお店です。

当時は餅や菓子のみならず乾物や荒物なども扱うお店で、
“鳴子の地のものを活かした商品を”と
秋に実った栗に着目したのが、栗だんごの始まりでした。

 

長い年月を思わせる、ユニークな栗の置き物。
これまで彼らは、一体何人のお客様を見てきたことでしょうか。

 

「餅処 深瀬」と店名変更したのはここ20年から25年のこと。
場所は変わらず受け継ぎ、事業は“やりたいこと”を中心に
その代その代で店主のカラーが発揮されてきたのだといいます。

 

 

伝統の尊重と進化の賜物、「鳴子レーヌ」

そうして「餅処 深瀬」へと店名が変わった頃、
またひとつ新たなチャレンジが始まりました。

それは、看板商品栗だんごの姉妹品。
美しいバラ形のマドレーヌ、その名も「鳴子レーヌ」の誕生です。

 

 

鳴子レーヌ。天然醸造醤油×和栗(左:¥330)と、宮城県産ゆず×チョコ(右:¥280)
もう一つの、栗駒高原山麓の蜂蜜×国産レモン(¥280)と、揃って人気商品です。

 

「栗だんごは日持ちしないので、子どもの頃から作るのが好きだった
焼き菓子で代替品をと考案しました」
と、洋菓子商品担当の深瀬いず美さん。
現在の店主、三代目の健(けん)さんの娘さんです。

 

パティシエール、深瀬いず美さん。子どもの頃は、洋菓子作りのための
調理器具が揃ってないながらも菓子作りに熱中。
「あの頃、よくあんな設備で作ってたな」と、今となっては信じられない
といった様子で笑顔をこぼしていました。

 

醤油や栗など、栗だんごと同様の材料で別のお菓子「鳴子レーヌ」を
生み出す、柔軟な発想力。

焼き菓子の他にも、意外な食材を組み合わせたケーキ類や
季節に合わせた商品も並んでいます。
「地元の食材を活かせると、達成感がある」と落ち着いた語り口調ながらも
お菓子作りへの熱い情熱を、確かに感じられました。

その熱意から、どんなお菓子が生み出されるか。
今後も目が離せませんね。

 

(撮影:馬籠美南・足利文香)

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安部菜摘|ツナグ編集室

宮城県大崎市在住。地元のフリースクールスタッフを勤める傍ら、ツナグ編集室に在籍。趣味は、音楽や写真をゆるりと。もふもふなものと児童書が好き。犬派と猫派どちらかなんて選べない。

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