アクティビティ

〈鳴子漆塗り体験〉ぬくもり溢れるおもてなし 鳴子漆器の魅力を体験できる漆塗り

情報掲載日:2022.03.14
※最新の情報とは異なる場合がありますので、予めご了承ください。

「ひとざわり」その言葉が染み渡る
あたたかな体験

中山平温泉駅から、さらに山沿いの道を奥へ進んで行くと
やっと見えてくるのが「佐藤漆工房 ギャラリー漆小舎」です。

 

取材は2月。工房は雪の中にすっぽりと埋まっていました。

 

チャーミングなご主人と
漆尽くしのギャラリー&工房へ

「いらっしゃ〜い♪」とチャーミングな笑顔で
出迎えてくれたのは、この工房のご主人である佐藤さん。

 

取材中見せてくれた制作中の漆ストロー。 漆ストローは特許をとっているオリジナル漆器。

 

中に入ると木のぬくもりを感じる和の空間に
漆の机や椅子が置いてあり、漆尽くしの空間が広がっていました。

 

手前は体験をしたり食事をいただけるスペース。奥はギャラリーショップ。 他にもスペースがあり、団体様もゆとりを持って受け入れられます。

 

今回体験するのは、出来上がっている商品に、
漆で絵や文字を描いて、オリジナルの漆器を作るコースです。


そのまま持ち帰ることができ、
初心者でも気軽に参加することができます。


他にも数回に渡り、本格的に体験できるコースや
金継ぎを体験できるコースもあり、
自分のレベルや用途に合わせて、選択することができます。

 

いざ、はじめての漆塗り体験!

まずは漆を塗る器選びから。
お椀にお皿、カップやストローなど、
さまざまな漆器があり、どれにしようか迷ってしまいます。

 

今回は、佐藤さんがおすすめしてくれた
和紙を漆器にした正方和紙乾漆というお皿をチョイス。


器を選んだら、次はお皿に描く絵や文字を決めます。
漆は塗るとすぐに乾いてしまうので、短時間で描くことがポイント。
事前に描くものをイメージし、決めておくのが大事だそうです。
15分くらいを目安に描いていきます。

 

体験セット

 

「前に美大生さんたちが来たときは参っちゃったよ〜。
全然描き終わらなくてね(笑)」
と思い出話を笑いながらしてくれた佐藤さん。
きっと力作が出来上がったんだろうなと微笑ましくなりました。

 

見本の絵

 

絵の見本も事前に用意されており、
絵を描くことに不安がある方も安心です。
春が待ち遠しいという思いから、菜の花を描くことに。

 

漆を用意してもらっているところ。

 

「筆の動きは上から下に流れるように描くと線がすっと入り
最後も綺麗に抜けていくよ。」と佐藤さん。
アドバイス通りに筆を動かすと綺麗な線がかけました。

 

本番前に練習します。

 

夢中になって皿に絵を描いていく時間は
絵だけに集中し、自分の中を空っぽにできる貴重な時間です。
時に佐藤さんと談笑し、見守ってもらいながら
あっという間に描き終わりました。

 

奥様のおもてなしが詰まった料理

漆が乾くまでの待ち時間に、食事をいただくこともできます。
食事なしのコースもありますが、食事付きがおすすめです。

 

漆のお膳にお皿。料理がいっそう引き立ちます。

 

佐藤さんの奥様が地元の季節の素材を使い、工夫を凝らした御前。
彩が美しく、ボリュームもあります。
お米は鳴子産のゆきむすび。真っ白なお米たちがツヤツヤ光っています。
どのお料理も絶品で、ペロリと食べられました。

 

仕上げの蒔絵体験

美味しいお食事をいただいた後は
ギリギリ乾き切っていない漆の部分に、
仕上げの蒔絵をしていきます。
漆を塗った部分に金粉を優しく擦り付けていきます。

 

今回、写真を撮るために佐藤さんに蒔絵の作業を してもらいました。

 

 

絵が浮かび上がって来ました!
佐藤さん曰く、この金粉を綺麗につけるために
漆が乾いていない絶妙なタイミングを
見分けることがとても難しいそうです。

蒔絵が終わればオリジナル漆器の完成です。
完成品は持ち帰った後、
2日間じっくり寝かせてから使用することができます。

傷がついたり、摩耗したりしたときは修理もしてくれるので
長く大事に使い続けることができるのも嬉しいですね。

 

完成を祝して記念撮影。

 

体験は佐藤さんの優しく丁寧な指導と、
漆や鳴子のお話で、あっという間に時間が過ぎていきました。
漆というと“高級”“難しそう”というイメージがありますが
こんなに手軽に漆の体験ができるとは思っていませんでした。

 

佐藤さんから
「“ひとざわり”って言葉がこれからの鳴子には必要だと思うんだよね。」
と言われたことがとても印象に残っています。


「温泉に入って、漆の体験したり
こけしの絵付けをするっていうのもいいし
美味しい食事を食べるのももちろんだけど
そこに方言を使った会話や
ちょっとした言葉の交流があったらもっと素敵でしょう。
そういうのをね。やりたいんだよね。」と。

ものやことでは伝えきれない、人と接する時に伝わる温度感。
佐藤さんはそんな想いを“ひとざわり”と名付けました。

自分だけのオリジナルの漆器作りとともに、
“ひとざわり”のあたたかさを体験してみてはいかがでしょうか。

 

(撮影: 佐竹歩美)

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佐竹歩美|ツナグ編集室/日晴りデザイン

宮城県大崎市在住。「日晴りデザイン」を屋号に写真・デザイン・イラストの3軸で活動中。
2021年にツナグ編集室を発足し、チームでの活動も始める。
食べること、手しごと、温泉と鳴子こけしと柴犬が好き。

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